北米版DQ5、細々続けてやっていきます。今回は妖精の国まで攻略しました。
ベラ
*「たしか この村には地下室のある家があったわね……。
*「その家の地下室に行ってて! 私もすぐに行くから……。
*「来てくれたのね! 私はエルフのベラ。
ベラの名前はHoneyとなっています。蜂蜜ですね。
酒場のシーンでは、最後に「Race you!」と言います。これは「どちらが早く着くか競争しよう」という意味だそうです。このセリフを受けて、地下室のシーンでは「I beat you!」と言います。つまり、競争した結果「私の勝ちね!」と言っている訳です。
日本語版のベラとはかなり異なる印象です。妖精の国が大変なことになって派遣されてきたというのに、その状況を楽しんでいるかのような子供っぽさを感じます。
ポワン
ポワン「けいぼうと言いましたね。ようこそ妖精の村へ。
ポワン「じつは私たちの宝 春風のフルートがある者にうばわれてしまったのです。
ポワン「このフルートがなければ世界に春を告げることができません。
ポワンの名前はTreacleとなっています。これは糖蜜という意味。ベラのHoneyと合わせて何とも甘ったるい名前です。
この甘ったるさは、その後のセリフにも表れます。まず最初のセリフでは、妖精の国のことを”the soft and creamy home of the faeries”と言っています。ソフトクリームみたいな世界というニュアンスでしょうか。
また、最後のセリフでは「summon spring in all its sweetness」「the bitterness of winter」などと言っています。春風のフルートのことを、「甘さそのものである春を呼び寄せるフルート」と呼ぶ一方、冬のことは「苦み」と表現しています。
こういった言葉遣いのレトリックによって、妖精の国の甘くてふわふわした世界観を作り出そうとしているんですね。
風呂に入るガイコツ
*「ああ いい湯じゃわい。骨まで しみるのう……。
日本語版だと、ガイコツが風呂に入っているというシュールな状況と「骨にしみる」という慣用句が掛け合わされたジャパニーズジョークになっている訳ですが、この場面は英語ではどう表現されているのでしょうか。
「Some people go wrinkly if they stay in too long, but not me!」は「長湯しすぎるとしわしわになる人々もいるが、私はそうではない」という意味です。ガイコツなので皮膚がないからしわしわになることもないということ。これ自体はジョークでもなんでもありませんが、「お前骨しかないだろ!」と思わず突っ込みを入れたくなるようなセリフ回しは日本語版とも共通しており、なかなかうまい英訳だと感心しました。
雪の女王
雪の女王「やはり子供をたぶらかして という私の考えは甘かったようですね。
雪の女王「こんどは私が相手です。 さあ いらっしゃい!
日本語版の「子供をたぶらかして」というのは、ザイルを騙して春風のフルートを盗ませたことのことを言っているのですが、英語版では「to leave a child in charge of reception」、つまり「歓迎会の責任を子供に任せたこと」となっています。歓迎会というのは、氷の館にやってきた主人公たちとのバトルのことを言っている訳で、ザイルがフルートを盗んだことには言及していません。春風のフルートが盗まれた事件の黒幕が実は雪の女王だったという事実の描写がすっぽ抜けてしまっているような気がして、英語版だけプレイした人が誤解しないかが少し気になりました。
ちなみに、ザイルのセリフはこんな感じ。終始意味不明なことを叫んでおり、ヤバい奴という印象がありました。このザイルという人物の印象も含めて、英語版だけプレイした人は春風のフルートはザイルが自発的に盗んだと誤解しても仕方がないように思えます。
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