DQ11で使用されている過去作品の音楽について一覧にまとめました。
3DS版の時渡りの迷宮限定の音楽は対象外です。また、裏ボス撃破後のエンディング曲「過ぎ去りし時を求めて」には過去作品の音楽が多数織り込まれていますが、それらも除外。あくまで「過ぎ去りし時を求めて」という独立した楽曲ですので。
また、選曲や楽曲の起用法に関する私の所感を最後に付け加えていますので、よろしければ併せてご覧ください。
楽曲一覧
出典 | 曲名 | DQ11での使用場面 |
---|---|---|
DQ2 | カタストロフ | オープニングなど |
DQ3 | まどろみの中で | 大樹の根の回想シーンなど |
ジパング | ホムラの里 | |
冒険の旅 | 過ぎ去りし時を求めた後のフィールド | |
回想 | 過去のユグノア城など | |
鎮魂歌 | 冥府など | |
ほこら | 伝説の鍛冶場など | |
おおぞらをとぶ | ケトス強化後の空 | |
戦いのとき | ネルセンの試練 | |
戦闘のテーマ | 連武闘魔行の戦闘 | |
勇者の挑戦 | 邪神ニズゼルファ戦 | |
DQ4 | コロシアム | グロッタの町コロシアム |
海図を広げて | 海 | |
戦闘 | 仮面武闘会の戦闘 | |
DQ5 | 王宮のトランペット | メダル女学園 |
ずっこけモンスター | フールフール戦、妖魔軍王ブギー戦 | |
はめつの予感 | 氷に閉ざされたクレイモラン城下町など | |
さびれた村 | バンデルフォン王国跡地の地下室など | |
哀愁物語 | ユグノア城跡での墓参りイベントなど | |
高貴なるレクイエム | バクーモス戦前のイベントなど | |
聖 | 導きの教会など | |
DQ6 | フォークダンス | 宴イベント時のナギムナー村など |
精霊の冠 | 海底都市ムウレアなど | |
ムドーの城へ向かう | グランドネビュラ発動イベントなど | |
DQ7 | パラダイス | カジノ |
哀しみを胸に | ベロニカとの別れイベントなど | |
DQ8 | 対話 | プチャラオ村など |
讃美歌に癒されて | 教会 | |
忍び寄る影 | ユグノア城跡でデルカダール兵に遭遇するイベントなど | |
大聖堂のある街 | 聖地ラムダ、ドゥルダ郷 | |
スラもり | スライムがんばる | マジスロ合体チャレンジ時 |
王者はどちらだ? | マジスロボス戦時 | |
(スーラン王国の音楽) | マジスロ通常時 |
所感
DQ11というナンバリングの大作で、音楽の多くは新曲となっていますが、過去作品からの音楽の起用もご覧の通りかなり多くなりました。「過ぎ去りし時を求めて」が今作のテーマであり、その意味も含まれていたように思えます。ただ、実際のところはゲームの規模に対してひとりの作曲家がすべて新曲で書き下ろすことは厳しいという現実的な要因もあったものと思います。しかもすぎやま先生もかなりのご高齢ですしね。
選曲に関してはほぼ100点満点に近いと言えるのではないかと思います。場面と音楽が見事にマッチしている。例えばDQ7からの引用となった「哀しみを胸に」。これはレクイエム系の楽曲で、ベロニカの死のイベントで使用されていました。単にレクイエムという条件なら他にも様々な楽曲がある中での「哀しみを胸に」の選曲は、やはりこの曲の特徴である悲劇的なイントロ部分に起因しているのだと思います。「胸を引き裂くような突然の悲劇」という印象が強く、まさにイベントシーンと合致した音楽で、プレイヤー心理の揺さぶりに大きく寄与していました。さすがにビッグタイトルのDQ11、相当なレビューを繰り返して選曲したのであろうと推察されます。
引用元の作品で使用された場面を想起させるような演出も多用されていました。例えばDQ5からの引用となった「はめつの予感」。DQ5では、主人公に子どもが誕生した直後の王妃誘拐イベントで流れる曲でした。DQ11でも、オープニングで主人公が生まれた直後の首脳会談シーンで使用されており、子どもが誕生した喜びから一転した悲劇を予感させる場面という点で共通しています。
他にも、同様にDQ5からの引用となった「聖(ひじり)」。DQ5では、主人公とヘンリーが逃亡先の修道院で正式に仲間になる場面で流れているのが印象的でしたが、DQ11でも主人公とカミュがデルカダール城から逃亡した先の修道院で仲間になる場面で使用されています。シナリオ上の共通点を音楽で更に引き立たせている事例です。
このように全体として非常に素晴らしい選曲・起用法であるのですが、惜しむらくはクリア後の世界における演出が少々過剰に感じられたことでしょう。クリア後の世界、正確には過ぎ去りし時を求めたあとの世界では、フィールド曲がDQ3の「冒険の旅」、ケトスの曲がDQ3の「おおぞらをとぶ」というように、元々の音楽がDQ3の音楽に差し替えられています。これは、本作の主人公の血筋がやがて勇者ロトを生むというストーリー上のつながりを考慮し、DQ3の音楽を採用したのだと思います。しかし、だとしても過ぎ去りし時を求めたあとにこの音楽に変化するという必然性は感じられず、単に人気のあるDQ3の楽曲を雑に起用しただけという印象を受けてしまいました。フィールド曲もケトスの曲もDQ11での新曲なのですから、それはクリア後でも聴きたかったという思いです。
とは言え、過去作品からの引用も含め本当に素晴らしかったDQ11の楽曲。DQ11が歴代DQの中でも高い評価を受けている要因のひとつがこの音楽であったことは間違いありません。
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