こんにちは、けい坊です。
ドラゴンクエストけしケシ!が12月1日にリリースされました。ドラクエを題材としたパズルゲームで、プロモーションビデオにはどことなくDQライバルズを彷彿とさせるものがあり、個人的にも注目していましたので、早速遊んでみました。
パズルゲームとしてはだれでも手軽に遊べるゆるい難易度となっている一方で、ドラクエのスピンオフ作品として見ると、原作を重んじたガチのファン向けのゲームとなっていました。どういったところに原作への愛を感じたのか、それを説明していきたいと思います。
目の付け所が一味違う
けしケシ!のストーリーは、落書きされてしまった冒険の書の世界に突入し、「ドラけし」と呼ばれる消しゴムを使って落書きを消していくという内容です。この冒険の書というのは、過去のナンバリング作品の1シーンを引用したものになっているのですが、そのチョイスが何とも渋い。ナンバリング作品の名場面や記憶に残る場面を敢えて外して、ドラクエ通好みのややマニアックなシーンにフィーチャーしているのです。
具体例を挙げていきましょう。例えばステージ2はDQ2の湖の洞窟が舞台となっています。湖の洞窟という名前を聞いてもピンと来ない人がほとんどでしょう。ステージの説明文には、「最深部には銀のカギがある」という原作における洞窟の特徴が書かれていますが、これを読んでも思い出せる人はごくわずかだと思います。それもそのはずで、DQ2において銀のカギは必須アイテムではなく、湖の洞窟は必ずしも行く必要はないダンジョンです。こんなマイナーダンジョンをチョイスするあたりに、けしケシ!開発陣のドラクエに対する深い愛着を感じます。
もうひとつ例を挙げます。ステージ4はDQ8からの引用となっていますが、舞台名はなんと内海。何の特徴もない名前で、先に挙げた湖の洞窟に輪をかけて意味不明です(いい意味で)。説明文には「トロデーン国領から西にリブルアーチの海峡へ向かう航路」なんて書いてありますが、原作のDQ8に相当の土地勘がある人でなければピンと来ないでしょう。にわかファンをふるい落とし、ドラクエ通だけを選抜していくスタイル。「お前らこの元ネタ知ってんのか」という開発陣からの挑戦状のようにすら感じられます。いいぞもっとやれ。
原作を忠実に再現
また、ステージ構成に関しても原作を忠実に再現しており、原作への造詣の深さがうかがえます。
例えば、最初のステージ1。このステージはDQ1からの引用となっており、舞台はラダトーム城周辺となっています。冒険の始まりにふさわしい舞台でこれ自体は普通のチョイス。ただし、ステージのボスにはおおさそりというややマイナーなモンスターが抜擢されているのです。
なぜおおさそりが抜擢されたのか。それはこのステージの構成に関係しています。このステージは、ラダトーム城から出発してマイラ方面に進んでいき、最初の橋を渡ったところでボス戦を迎えるという構成になっています。
DQ1では、橋を渡るとモンスターの出現テーブルが変わり、より強いモンスターとエンカウントするように設計されています。実は、けしケシ!におけるステージ構成はこのDQ1の設計の再現になっているのですね。実際、原作のDQ1においても、マイラ方面に向かって最初の橋を渡ったところで出現テーブルが変わり、おおさそりをはじめとするワンランク上のモンスターが出現します。
この演出を成立させるためには、橋を渡る前の通常コースに出現するモンスターに関しても原作を再現する必要がありますが、当然この点もぬかりありません。通常コースに出現するモンスターは、スライム、スライムベス、ドラキー、ゴーストの4種類のみとなっており、原作を完全再現。この再現度の高さには舌を巻きます。
出現モンスターの再現度の高さは、ほかのステージにも見られます。一例を挙げると、ステージ6の舞台となるDQ5の死の火山。ここに出現するモンスターは、ホースデビル、マドルーパー、まものつかいといった原作の死の火山に出現するものになっています。原作再現という縛りを取り払えばもっとかっこいいモンスターを登場させられたところを、敢えて原作にこだわりを見せ、こんな地味なモンスターたちを登場させる。だがそこがいい。
まとめ
今回の記事では、ドラゴンクエストけしケシ!開発陣の原作に対する愛が感じられる点について説明してみました。この原作再現度の高さ、どこかDQライバルズに通じるものを感じるのは私だけでしょうか。DQライバルズのサービス終了と入れ替わるようにしてリリースを迎えたけしケシ!ですから、開発スタッフに元ライバルズ関係者が紛れ込んでいても不思議はなく、もしかすると同じチームによる犯行かもしれません。
いずれにしても、ドラクエの原作を知っている人ほど楽しめるゲームになっていますので、興味のある方は一度遊んでみるのをお勧めしたいです。
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