先般のドラクエの日に公式から発表されたDQ12。正式名称は『ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎』です。現時点ではティザートレーラーしか公開されていませんが、この1分弱の映像だけを頼りにDQ12の内容を考察してみようという記事です。考察というより妄想と言ったほうがいいレベルのものですが、よろしければお付き合いください。
タイトルロゴについて
ティザートレーラーで見られるのはタイトルロゴくらいのものですが、ここだけでも色々な考察が可能です。DQ12のタイトルロゴはこれまでのナンバリング作品とは相当に印象が異なるものになっていますが、具体的にどのように違うのかを分析してみます。
DRAGON QUESTの文字が青い
実はドラクエの歴代のナンバリングのタイトルロゴには法則性があります。奇数番目の作品ではタイトルロゴの「DRAGON QUEST」の文字が青系の色で、偶数番目の作品では赤系の色になっているというものです。
しかしながら、今回のDQ12ではその法則を覆し、青系の色で描かれています。これは一体何を意味するのでしょうか。炎で描かれたXIIの文字が赤系の色なので、DRAGON QUESTの文字は青系にした…とも考えられますが、単にそれだけではないでしょう。推測ですが、そこには「従来のドラクエとの決別」「新たなドラクエの始まり」といったメッセージが含意されているのだと思います。
DQ11は「過ぎ去りし時を求めて」のコンセプトを追求し、過去のドラクエに登場したキャラクターやイベント、音楽などのエッセンスを多数織り交ぜた作品でした。いわばDQ1~10の総集編としての位置づけでもある作品で、DQ11はドラゴンクエストの歴史にひとつの区切りをつけたとも解釈することができます。そうして迎えた今回のDQ12ですから、「従来のドラクエとの決別」というラジカルな響きの推測もあながち間違いではないのではないか、と思えるのです。
Tの文字が剣になっていない
従来のナンバリングタイトルのタイトルロゴでは、DRAGON QUESTの「T」の文字が剣のデザインになっているのが共通の特徴でした。しかし、今回のDQ12ではそうなっていません。正確に言うと、Tの文字の縦棒が上に突き抜けているので、剣を意識した形状にはなっているのですが、刃の部分が刃になっておらず、全体的に他の文字と同じ質感で描かれています。
剣と言えば勇者の象徴です。その剣がタイトルロゴから消えているということは、DQ12は勇者というものが登場しない世界観なのではないか、と推測することができます。ひとつの可能性ですが、DQ12は勇者が誕生するよりも遥か昔か、あるいは勇者の血筋が途絶えて暗黒に包まれた世界の物語だと考えることも可能ではないでしょうか。
人は何故、生きるのか
次にヒントとなるのが、ティザートレーラーの中で投げかけられる「人は何故、生きるのか」というナレーションです。
このメッセージから連想されるのが、ゾーマの有名なセリフ「なにゆえもがきいきるのか」です。あまりにも似通った表現であり、何らかの関係性を示唆していると考えてよいでしょう。つまりDQ12は、ゾーマのような悪の存在に支配された世界においてもがき苦しみながら生きていく人間にフォーカスを当てた物語ではないか、という推測ができる訳です。そう考えると、Tの文字が剣になっていないことが勇者の不在を示唆しているという上述の推論とも整合しているように思えます。すなわち、「悪の存在が復活して暗黒に包まれた世界で、しかも勇者の血筋は途絶えているという絶望的な状況の中、それでももがきながら生きていく人間の物語」というのがひとつの仮説として浮かび上がってきます。
5月27日の公式生放送にて、DQ12は様々な選択肢から自分の生き方を決めるようなシナリオになっているという堀井さんの発言がありました。荒廃した世界を舞台に、様々な選択を繰り返して新たな世界を創造していくようなシナリオなのかもしれません。
ティザートレーラーの中で垣間見える以下の画像が、上記の仮説を補強する材料となります。この画像を見ると、地面と岩山と空はありますが完全に暗黒に包まれており、まるで月の地表の写真のようです。この世界で絶望する人間たちが、突如現れた”運命の炎”を頼りに人類の再興を目指して立ち上がる…そんなシナリオが思い浮かんできませんか?
音楽が一新される可能性も
このティザートレーラーでは音楽が全く使われていませんでした。ドラクエと言えば『序曲』。ゲームがまだ開発開始したばかりとは言え、ドラクエのアイデンティティでもあるこの曲が流れていないというのはやや不思議に思えました。
『序曲』も作品ごとに少しずつ変化している音楽なので、まだDQ12版の『序曲』が完成していないという可能性もあります。ただ、もう一つの可能性として、DQ12では『序曲』が採用されないということも十分に考えられます。作曲者のすぎやまこういち先生も御年90歳ですし、第一線を退いて後進に託すという決断を下したとしてもおかしくありません。35周年特設サイトの中で、すぎやま先生は「これからも生ある限り皆様の『心の応援団』となれるよう頑張ってまいります」と語っていますから、完全にDQ12にノータッチということにはならないでしょうが、今までのように一手にすべての楽曲を担当するということではなくなる可能性はあります。
ドラクエの音楽ファンの私としては、もちろんすぎやま先生の音楽を聴きたいと思いつつも、一方でいつかやってくる世代交代に備えた心の準備をしておきたいという気持ちがあります。例えばDQ12の楽曲の一部を別の作曲家が担当するみたいな形になれば、世代交代に向けた心の準備も進んでいくのかな、と思ったりしました。
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